スイート・リトル・ラバーズ
朝になり、周りが明るくなり始めたところで、私はやっと学校まで歩いて行こうと決心した。
その前に公園の水で顔に付いている血を流した。
でも鏡がないからどれだけ綺麗に拭き取れたのかがよく分からなかった。
学校まで着くと、まだ朝が早かったみたいで誰もいなかった。
真っ黒になった靴下と裂けたブラウスを交互に見ながらどうしようか考えていると、しばらくしてから足音が聞こえてきた。
誰だろうと思っていると、それはシンの友達で、私の以前何度か話したことの人だった。
「あの、ごめん」
と声をかけ、私の姿を見て驚いている相手に、シンを呼ぶように頼んでみると、すぐに了解してくれて、それから20分くらいしてからシンが学校に飛んで来た。
そのシンに私は事情を説明した。
人に聞かれて困る話題だったから、場所は教室から、普段は誰も通らない屋上の階段に移した。
私がうちにいた男にされた仕打ちを話すと、シンは私が今まで見たこともないような怒り方をしたあとに、
「今から亜里沙さんの家に行こう。俺がそいつぶっ殺してやる」
とそう言った。
本当にやりかねなかったから、私は止めたのだけれど、シンはそれでも聞かず、私に来客用のスリッパをはかせて、授業があるにも関わらず、2人で私の家へと向かった。
それでも、幸いなことに、相手の男はもううちにはいなかった。
それからシンの要望で、一時間くらいうちにいて待ってみたのだけれど、相手の男はやはり戻っては来なかった。
その日私はずっとシンと一緒にいた。
シンはずっとその男に対して怒っていた。
私のためだった。
この時ほど誰かの存在をありがたいと思ったことはなかった。
その前に公園の水で顔に付いている血を流した。
でも鏡がないからどれだけ綺麗に拭き取れたのかがよく分からなかった。
学校まで着くと、まだ朝が早かったみたいで誰もいなかった。
真っ黒になった靴下と裂けたブラウスを交互に見ながらどうしようか考えていると、しばらくしてから足音が聞こえてきた。
誰だろうと思っていると、それはシンの友達で、私の以前何度か話したことの人だった。
「あの、ごめん」
と声をかけ、私の姿を見て驚いている相手に、シンを呼ぶように頼んでみると、すぐに了解してくれて、それから20分くらいしてからシンが学校に飛んで来た。
そのシンに私は事情を説明した。
人に聞かれて困る話題だったから、場所は教室から、普段は誰も通らない屋上の階段に移した。
私がうちにいた男にされた仕打ちを話すと、シンは私が今まで見たこともないような怒り方をしたあとに、
「今から亜里沙さんの家に行こう。俺がそいつぶっ殺してやる」
とそう言った。
本当にやりかねなかったから、私は止めたのだけれど、シンはそれでも聞かず、私に来客用のスリッパをはかせて、授業があるにも関わらず、2人で私の家へと向かった。
それでも、幸いなことに、相手の男はもううちにはいなかった。
それからシンの要望で、一時間くらいうちにいて待ってみたのだけれど、相手の男はやはり戻っては来なかった。
その日私はずっとシンと一緒にいた。
シンはずっとその男に対して怒っていた。
私のためだった。
この時ほど誰かの存在をありがたいと思ったことはなかった。