*ふわり、はつこい*
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その日は結局、H校が負けてしまった。

試合が終わり、私達は体育館を出る事にした。


「負けちゃったね。後半までは勝ってたのに」

「うん。そうだね」


私達は少し残念な気持ちで靴を履いた。


「あ、心向ちゃん!!」


履き終えると同時に後ろから名前を呼ばれ、私は反射的に振り返った。


「先輩っ」


片付けの途中で来てくれたのか、片手にはモップを持っていた。


「今日は負けちゃったけど見に来てくれてありがとうな。またいつでも来て。よかったら俺またメールするし。あ、幾田さんも」

「・・・うん!こちらこそ、ありがとうございました!!」


私は頭をあたふたと下げた。


「いやいや。それよりあそこで見てるの正直、きつかったっしょ?」


先輩は申し訳なさそうに笑ってそう言った。
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