*ふわり、はつこい*
「今日はなんか心向ちゃんソワソワだね」
ミウちゃんがクスっと笑いながらそう言った。
私は少し恥ずかしくなった。
笛の練習になんて集中出来なくて、さっきからずっとソワソワしていたんだ。
携帯を握り締めながら。
「彼氏からのメールか電話待ち?」
ミウちゃんはまたからかう様な笑顔を浮かべた。
「・・・・・・っ」
私は少し焦った。
だって半分は当たってる。
好きな人からのあんなメールの返信待ちなんだもん。
「あー!心向ちゃん顔赤いよ?わ〜本当に当たったぁ!」
「ち、ちが・・・っ彼氏じゃないよ・・・!」
「ん〜本当に?・・・あ、さては彼氏じゃないなら好きな人か!?」
ミウちゃんは人差し指を立てて私を指した。
「・・・・・あ、や・・・うぅ、うん」
私は嘘をつくわけにもいかず、結局頷いてしまった。