*ふわり、はつこい*
──────...

─放課後,部活─


「はい、流し5本!全力だぞ!」


顧問の先生の指示で2人ずつ順番に100メートルの流しをする。

順番は1年から。


「はぁ・・・っ、はぁっ」


3本ほど走ったところで息切れが止まらなくなってきた。


「大丈夫?」


あれ?誰だろう。後ろから声がしたような。私に言ったのかな?

そう思い振り向くと、そこには・・・


「せ、先輩・・・!?」


陽汰先輩が立っていた。


「大丈夫?とりあえずあと1本終わったら休憩入るから、それまで頑張れる?」


もう私はあと1本あろうが2本あろうがどうだっていい気持ちになった。

や、やばいっ。先輩が目の前にいる。どうしよう。どうしよう、どうしよう!?

極度の緊張で体が固まり、体中の熱が外に放出されてるように熱い。

心臓の鼓動も尋常じゃないくらい大きく響き、動いている。


「・・・だ、大丈夫です!頑張れます!」


私は精一杯の声でそう答えた。

すると先輩はクスっと笑いながら友達のところに行ってしまった。

やばい。やばい!どうしよう。嬉しすぎるよぉ。なんか泣きそうになってきた。

相変わらず心臓は煩いままだ。

これが恋なの・・・?


< 12 / 187 >

この作品をシェア

pagetop