*ふわり、はつこい*
しばらくするとユウカちゃんは速水くんと分かれて、こっちに戻ってきた。


「おかえり!」

「ただいまっ」

「ちゃんと速水くんと話できた?」

「うんっ。秘密も聞いちゃったし」


ユウカちゃんは悪戯ぽく笑った。

心成しかどこかスッキリしたような表情にも思えた。


「え、なになに?秘密?」

「秘密なんだから教えるわけないでしょ〜。知りたかったら至に聞けっ」


私が頬を膨らましていると、向こうから呼びかけがかかった。


「もうそろそろみんな帰りなさい。門閉めますよ」


先生に従って私達も帰ることにした。

いっぱい泣いたけど、本当にいい卒業式だったな。
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