*ふわり、はつこい*
─翌日─


私はある決心を決めた。

今日は速水くんにそのことを、ちゃんと告げることにした。

教室にはいつもの風景が広がっていた。


「速水くん」

「・・・っ三瀬」

「あのね、話があるんだけど」


そう言うと速水くんは無言でついてきてくれた。

人気のない、薄暗い裏庭。


「こないだの、ことなんだけど」

「うん」

「私、好きな人がいるの。それは陽汰先輩。ずっと、中1のときから好きだったの」

「「・・・・」」


長い沈黙が二人を包む。


「・・・それでも、俺が三瀬を好きなのには変わりない。三瀬に好きなヤツがいようが、いまいが俺は三瀬以外に誰も考えられねぇ」

「っ」


速水くんの思いは痛いほど分かるから、胸がぎゅっとなった。
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