*ふわり、はつこい*
─文化祭当日─


とうとう文化祭がやってきた。

クラスごとに色んな露店が出ている。


「心向ちゃん、至くんと回ってきなよ」


当番の交代のとき、私にそう言ったのはレイちゃん。

レイちゃんは高校で出来た友達の中で一番の仲良し。

だから私が速水くんと付き合っているのは知っている。


「あ、うん。ありがとう」

「至さっき自販機で飲み物買ってくるって言ってたから、外じゃないかな?」


私はレイちゃんに言われた通りに外に出た。

外も人でごった返している。

速水くんを見つけられるか心配になった。


「あの、すみません」


人ごみの中、私の目の前に立つ一人の女の人。


「!!」
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