*ふわり、はつこい*
─3月6日,卒業式前日─
あれからユウカちゃんは速水くんとは少し気まずいらしい。
だけどユウカちゃん自身がウジウジするタイプでもないのでもう結構吹っ切れてきたとか。
私はそんなユウカちゃんが少し羨ましく思えた。
「心向、今から卒業式の練習だって。歌の練習、合格しないと帰れないらしいよ」
「え、そうなの!?頑張らないとだね」
ユウカちゃんとまだ卒業式の準備をしていない体育館に向かった。
準備はこの歌の練習が終わってからになる。
「早いね。一年って」
ユウカちゃんが呟いた。
「うん。そうだね。もう3年生、卒業だもんね。寂しいな」
「心向、どうするの?先輩。もう卒業だよ?明日だよ?」
「・・・ん。そ、そのことなんだけどね・・・私、先輩のメールアドレス聞くことにした!!」
「・・・え?メアド・・・?」
「うんっ。やっぱり告白とかは勇気ないし、連絡先くらいなら聞いても怪しまれないかな・・・と」
「"怪しまれる"って・・・。でも心向がそう決めたんなら頑張って!ついでに花も貰えば?」
ユウカちゃんはからかうに笑った。
"花"とは卒業生が名札のところにつける小さな花のペンダントのことだ。
「わ、私は連絡先だけで十分だから!それより早く体育館行こっ。もうみんなきっと集まってるよっ」
「はははっ。はいはい」
あれからユウカちゃんは速水くんとは少し気まずいらしい。
だけどユウカちゃん自身がウジウジするタイプでもないのでもう結構吹っ切れてきたとか。
私はそんなユウカちゃんが少し羨ましく思えた。
「心向、今から卒業式の練習だって。歌の練習、合格しないと帰れないらしいよ」
「え、そうなの!?頑張らないとだね」
ユウカちゃんとまだ卒業式の準備をしていない体育館に向かった。
準備はこの歌の練習が終わってからになる。
「早いね。一年って」
ユウカちゃんが呟いた。
「うん。そうだね。もう3年生、卒業だもんね。寂しいな」
「心向、どうするの?先輩。もう卒業だよ?明日だよ?」
「・・・ん。そ、そのことなんだけどね・・・私、先輩のメールアドレス聞くことにした!!」
「・・・え?メアド・・・?」
「うんっ。やっぱり告白とかは勇気ないし、連絡先くらいなら聞いても怪しまれないかな・・・と」
「"怪しまれる"って・・・。でも心向がそう決めたんなら頑張って!ついでに花も貰えば?」
ユウカちゃんはからかうに笑った。
"花"とは卒業生が名札のところにつける小さな花のペンダントのことだ。
「わ、私は連絡先だけで十分だから!それより早く体育館行こっ。もうみんなきっと集まってるよっ」
「はははっ。はいはい」