*ふわり、はつこい*
待ち合わせ場所には時間ぴったりに着いた。

ユウカちゃんは私が着いた5分後くらい合流した。



「よかったね、心向!先輩の試合見られるじゃん!」

「うん。嬉しいけど、緊張のほうが勝っちゃうよ」

「あんまり会えないし、いっぱい見とかなきゃだね。あたしも高校はバスケするつもりだし、ちゃんと見ないと!」

「じゃあユウカちゃんはまた先輩の後輩になるんだね。それも同じ部活の」

「そーなるね。今度はあたしが試合、呼んであげる」


ユウカちゃんは軽くガッツポーズをとった。


「うん、ありがとう」



先輩の高校まではバスで行くつもり。

私達は時間がギリギリなことに気付き、走ってバス停まで向かった。


「心向、急げ〜!!」

「待ってユウカちゃん!」


夏の汗が太陽の光でキラキラと反射する。

・・・先輩に会えるんだ。・・・会えるんだっ。会えるんだ!

部活は引退しても2年半やっていた足は、その感覚をちゃんと覚えていた。
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