*ふわり、はつこい*
─H校,正門前─


学校には着いたものの、正門から入っていいのかと私達はおどおどしていた。

今、先輩にメールをしても返せるわけもないし。


「どうしよ、ユウカちゃん」

「いや、たぶん正門から入っていいはずなんだけど・・・。ま、いいや、入っちゃえ!駄目だったらそのときはそのときよ!」

ユウカちゃんは私の手を引いて、正門を潜った。


「体育館って、あれかなぁ?」


私は校舎と少し離れた、渡り廊下のある建物を指差した。


「あ、そうだね。音も聞こえるし」


体育館らしきところからは、バッシュのスキール音や、ボールのバウンドの音が聞こえた。


「行ってみよっか」


私達は体育館へ向かった。
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