君と同じ悼みを。
「梓なんかが抱きしめたら、四季が窒息するだろ!なぁ四季?」
サラサラの黒髪に某イケメン俳優に似てるって評判の蒼弥は明るくて人懐っこい。
こんなわたしに、名前で呼び合えるような男友達ができるなんて思ってもみなかったから、凄く大事な存在。
「あははっ!いくらなんでもそれはないよ」
「そうよ蒼弥!これでもダイエット中なのよ!」
「なー四季、数学の宿題みせてくんねぇ?」
梓の言葉を完全にスルーしてみせた蒼弥に梓はわなわなと震えていて。わたしはため息をついて苦笑して、宿題のプリントを蒼弥に手渡した。