ROMANTICA~ロマンチカ~
最初の出会いこそは最悪だったものの、彼は優しい(と思う)。



誰かと一緒にいる時は、絶えず何かしゃべっていないと不安になって、ついつい余計なおしゃべりをしてしまうあたし。


そんなあたしとは違って、余計なことはあまりしゃべらない。




普段は素っ気無くて何を考えているのかイマイチわからない。


けれど、毎晩勉強をみてくれたし、あたしの他愛のない話に耳を傾けてもくれる。
 



氷室涼輔だけじゃなく、執事の原島さんを始めとして、コックさんやメイドさんたちに渡るまで、氷室家の人たちはみんなあたしにすごく良くしてくれる。



 
創立記念日で大学が休みだった日には、氷室製薬(氷室物産関連企業)に原島さんが連れて行ってくれた。


素晴らしい設備、ストイックに自分の仕事に打ち込む研究者たち、色々な薬草が植えてある植物園……。


事前に話を通してくれてあったらしく、みんなすごく親切に、色々教えてくれた。


思わず将来、研究者も悪くないなとか思ってしまったりして。 
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