ROMANTICA~ロマンチカ~
「ただいま」と言って玄関のドアを開けると、



 
「お帰りなさいませ」



 
原島さんが出迎えてくれる。



 
「都季様のお帰りです」



 
原島さんの一言で、メイドさんがわらわらと集まって来る。



このお出向かえ、今でも慣れない。


ぜんぜん、慣れない。





 
「今夜はお母様の経営していらした会社と氷室物産の合同事業を始めるにあたって、セレモニーがあります。


涼輔様が御挨拶をなさいますが、都季様にもお越しいただきたいとの言付けをいただいております」
 


「セ、セレモニー?」


前に聞いていたような気もしたけれど、すっかり忘れていた。
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