ROMANTICA~ロマンチカ~
困惑しているうちに、メイドさんたちに部屋に連れて行かれ、赤いイヴニング・ドレスを着せられる。


着せ替え人形になった気分。




 
「あたし、こんなに大人っぽい格好って、似合わなくない?」


 
「いいえ、そんなことありませんわ。良くお似合いですよ」



 
メイドさんの一人――香夏子(かなこ)さん(とっても美人だ)が言ってくれながら、サッサカサーッ! とばかりにお化粧。



お化粧なんて、あたしは普段めったにしない。


こうなると、気分はもう着せ替え人形を超えて、コスプレ。
 



「えーっ、そんな赤い口紅つけるの?」
 



「何をおっしゃいますか。涼輔様がお店まで直々に出向いて選んで下さったものですよ」
 


こん畜生、うらやましいぜとでも言わんばかりの口調だ。
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