ROMANTICA~ロマンチカ~
あたしの自我は激しく主張していた。
 


――だけど……、
 


あたしの中の、恋する女が怒鳴り返す。
 


 
感謝は言葉だけじゃなく、時には態度で示さないと伝わらないじゃない! 何を今更カッコつけてんのよ? バッカじゃないの!




 ――そう、感謝なんだから。お礼なんだから……。

涼輔さんのことを好きになったことは本当なんだから、今更誰に意地張る必要もないわけで……。
 


本屋に立ち寄り、なるべくシンプルな料理本を選び、あたしは家路を急いだ。
< 166 / 369 >

この作品をシェア

pagetop