ROMANTICA~ロマンチカ~
第六章 クリスマス・イヴ

1.誘拐

やって来ました、十二月二四日。

クリスマス・イヴ。
 

ワクワク、ドキドキ、ウキウキ……。
 

ああ、ドキが胸ムネする……じゃなくって、胸がドキドキする……。

思わず寒いギャグを口走ってしまうほど、あたしは興奮していた。


ああ神様、奇跡を起こしてくださり、どうもありがとうございます!
 

今日のコンサート、あたしは涼輔さんと一緒に行けることになりました。

チケットをもらったその夜のうちに、涼輔さんの予定を訊いてみたところ、
 
「その時間は空けておく。ちょうど親父が帰国するしな。夜のパーティは親父に任せておけばいい」
 
「ええッ、本当にいいんですか? パーティ、行かなくて……?」
 
会社の株価が下がったりしないかしらと心配になった。
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