ROMANTICA~ロマンチカ~
あたしは、氷室涼輔が見せる、あらゆる表情を見たかった。
この目の奥の、網膜に焼き付けたかった。
「都季ちゃん? ああ、やっぱり都季ちゃんだ」
「富沢の小父様ッ!」
思わず大きな声を出してしまった。
そう、ママが亡くなった時、大いに助けてくださった富沢靖男小父様がそこにいた。
最初あたしは涼輔さんのことを冷たい人と誤解していて、氷室家を飛びだし、富沢の小父様か俊夫さんか理恵子さんに会いに行こうとしたことがあった。
それから色々あって、結構楽しく毎日を過ごしていたこともあって、すっかり失念していたけれど。
「元気そうで何よりだ」
「小父様こそ、元気でいらっしゃいますか? 確か、どこか遠くへ出向されたとか……?」
「ああ、香川県にね。だけど、先月本社勤務に戻ったんだ。だから、今日もこうしてここにいられる」
この目の奥の、網膜に焼き付けたかった。
「都季ちゃん? ああ、やっぱり都季ちゃんだ」
「富沢の小父様ッ!」
思わず大きな声を出してしまった。
そう、ママが亡くなった時、大いに助けてくださった富沢靖男小父様がそこにいた。
最初あたしは涼輔さんのことを冷たい人と誤解していて、氷室家を飛びだし、富沢の小父様か俊夫さんか理恵子さんに会いに行こうとしたことがあった。
それから色々あって、結構楽しく毎日を過ごしていたこともあって、すっかり失念していたけれど。
「元気そうで何よりだ」
「小父様こそ、元気でいらっしゃいますか? 確か、どこか遠くへ出向されたとか……?」
「ああ、香川県にね。だけど、先月本社勤務に戻ったんだ。だから、今日もこうしてここにいられる」