ROMANTICA~ロマンチカ~
おじ様は微笑んだ。
 


プルルル……。

 

おじ様の携帯電話が鳴った。

劇場内では携帯電話をオフにするのがマナーだけど、まあ、まだここはカフェだし、いいとするか。
 
「何だって?!」
 
おじ様が悲痛な声を出した。顔色がすっかり蒼ざめている。
 
「おじ様?」
 
「俊夫が、車にはねられたそうだ。今、札幌の病院で……危険な状態らしい……。出血量が多くて……」
 
「行きましょう、病院へ」
 
呆然とするおじ様の袖をあたしは引っ張った。
 

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