ROMANTICA~ロマンチカ~
そうする間も上着のポケットをまさぐっていた。
「あたし、ちょっと電話をします。人と約束をしていたので」
――涼輔さん……。
約束を破ったりして、本当にごめんなさい。
だけど、話せばきっとわかってくれるはず……。
ハンドバッグの中を探って、電源を切り忘れたままの携帯電話を取り出そうとした時、
「その必要はないよ」
おじ様がポケットから手を出し、あたしの鼻と口を塞いだ。
おじ様の手には、濡れたハンカチが握られていた。
すごく嫌な臭いがして、気が遠くなった。
「あたし、ちょっと電話をします。人と約束をしていたので」
――涼輔さん……。
約束を破ったりして、本当にごめんなさい。
だけど、話せばきっとわかってくれるはず……。
ハンドバッグの中を探って、電源を切り忘れたままの携帯電話を取り出そうとした時、
「その必要はないよ」
おじ様がポケットから手を出し、あたしの鼻と口を塞いだ。
おじ様の手には、濡れたハンカチが握られていた。
すごく嫌な臭いがして、気が遠くなった。