ROMANTICA~ロマンチカ~
「どうして、そんなことママがされないといけないのよ?」
 

「私たち、ちょっとお金を借りていたんだ」
 
富沢おじが言った。
 
「何、大した額じゃない。

今までずっと貢献してきたんだ、三億やそこら、貸してくれたっていいじゃないか。

あの女、勘付いたんだ。

私を呼び出して、警察に訴えてやる、どんなことをしてでも金を返してもらうって威勢良くタンカを切ってくれたよな。

まったく、金の亡者だよ」  
 
「横領しておいて、よくもまあ……」
 
「この十二年間、あの女のヒステリーに付き合わされてきた人間の身にもなってみろ!」
 
「ママのことが嫌なら、会社をやめれば良かったのよ!」
 
「それは、持てる者の言い分だ」
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