ROMANTICA~ロマンチカ~
「余興はおしまい。

色々聞いてもらったから、もう生きていてもらうわけにはいかないわね。

さあ、やりなさいよ」
 

旗丸理恵子が俊夫の背中を押した。
 

俊夫が黙って近付いてくる。
 

あたしが睨みつけると、視線を反らした。
 

――こんな男に、レイプされるなんて……。
 

ああ、腹が立つ! 

返す返すも腹が立つ! 

警察は何をしているのよ! 

木村紫苑(しおん)め! 



やっぱり、あいつは女の敵だったんだ! 

いや、女の敵どころか、ここにあたしという人間一人の命が懸かっているわけだから、人類の敵と言った方がいい。


腹が立つ! 

本当に腹が立つ! 
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