ROMANTICA~ロマンチカ~
「どうする?」
 

旗丸理恵子が、電話を取り上げた。
 
「ふーん、そう」
 
再び、耳に押しつけられる。
 

『都季、落ち着け。バカなことを言うな』
 

「涼輔さん、気持ちはありがたいけど、結構です。

あたしね、こうして最後に涼輔さんの声を聞けてる、それだけでもう十分。

あたし、死んでもいい。

だって、もうママも死んじゃったし、あたしが死んでも誰もそんなに悲しまないよ……」
 
『都季!』
 
「おかしいよね、何で今まで気づかなかったんだろう。

薬屋になったって、目標を達成したって……

一緒に喜んでくれる人は、もう誰もいないのに……」
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