ROMANTICA~ロマンチカ~
『黙れよ』
 

「だから、これでおしまいにしましょう。

今まで、どうもありがとうございました。楽しかっ……」
 

『黙れと言っている!』
 

あたしの言葉を途中で遮って、涼輔さんの激しい声が電話の向こうから聞こえてきた。
 

『ふざけるなよ、このバカ!』
 

涼輔さんが怒鳴った。
信じられない。
いつも冷静な涼輔さんが怒鳴るなんて。
 

『さっきから黙って聞いてれば、勝手なことばかりぬかしやがって! 

おまえだけ死ねばいいなんて、もう一回言ってみろ。

俺がおまえを半殺しにしてやる!』
 
「涼輔さん……」
 
『もう話すことはない。電話をかわれ』
 
「……」
 
『早くしろよ。今からそっちに行く算段を取らないといけない』
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