ROMANTICA~ロマンチカ~
その時、
 
「ウッ!」
 

俊夫がうめいてくずおれた。
 

「小物は大人しく寝ていろ」
 

涼輔さんのヒジ打ちが、腹にまともに入ったのだ。

いつの間にやら涼輔さんの両手のいましめは解かれていた。
 

続いて倉元にもまわし蹴りを見舞う。

が、相手は屈強で、恐らく武道の心得が多少はあるのだろう、それは巧みにブロックされた。

が、蹴りを放ってきた相手の膝を反対に踏みつけ、全体重をかける。

バキッという音がした。

倉元は獣じみた叫び声を上げると、その場をのた打ち回った。
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