ROMANTICA~ロマンチカ~
「!!!」
 
「チッ! どいつもこいつも……」
 

予想外の展開に舌打ちする旗丸理恵子。


涼輔さんが絶対零度の声で告げる。
 


「どっちにしても、おまえたちは終わりだ。

まったく、ふざけた工作をしなければ、背任横領だけですんだかもしれないのにな。

おっと、都季をどうこうしようなんて、妙な気を起こすなよ。

できれば、女は殴りたくない」
 

「フガ! (涼輔さん、危ない!)」
 


高城が角材を持って、涼輔さんの背後から迫っていた。


知らせてあげたいが、フガフガとしか言えない。

こんなことなら、猿ぐつわをとってもらうまで、待てば良かった。
 

涼輔さんは、高城の動きをとうに見切っていたかのように、向き直ってスウェイ・バックする。
 

近くに落ちている角材を拾うと、涼輔さんは相手と対峙した。
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