ROMANTICA~ロマンチカ~
「!!!」
 
この時こそは、もう死ぬかと思った。

あたしは目を閉じて、脳天に降ってくるだろう角材を待った。
 

「あうっ!」
 

降ってきたのは、角材ではなく、靖男の間抜けた声だった。

涼輔さんが放った角材が、横っ面をひっぱたいたのだ。
 

「小物は寝ていろと言ったはずだ」
 

だが、角材を放った時、涼輔さんに一瞬の隙が生じた。
 
「ッ……」
 
涼輔さんが角材を放り投げた時に、軽く振り上げた足を、高城が振り回した角材がかすめた。
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