ROMANTICA~ロマンチカ~
涼輔さんの顔から笑みが消える。
ずっと攻め続けていた涼輔さんが、そこで初めて後ろに引いた。
やみくもに振り回される角材をよけるうち、ジリジリと壁際に追い詰められる。
手近な場所には角材が落ちていない。
「氷室さん、あなたは油断ならない人ね」
旗丸理恵子が言った。
「今更気づいたか?」
「それに、思ったより頭が悪いみたい」
「心外だな。そんなことを言われるのは、初めてだ」
高城に向かって、
「痛めつけるのは構わないけれど、今殺したらダメよ。
身代金を手に入れるまでは、まだ利用価値がある。」
ずっと攻め続けていた涼輔さんが、そこで初めて後ろに引いた。
やみくもに振り回される角材をよけるうち、ジリジリと壁際に追い詰められる。
手近な場所には角材が落ちていない。
「氷室さん、あなたは油断ならない人ね」
旗丸理恵子が言った。
「今更気づいたか?」
「それに、思ったより頭が悪いみたい」
「心外だな。そんなことを言われるのは、初めてだ」
高城に向かって、
「痛めつけるのは構わないけれど、今殺したらダメよ。
身代金を手に入れるまでは、まだ利用価値がある。」