ROMANTICA~ロマンチカ~
「トキちゃん、怪我してない? 

大丈夫みたいだな。

おいで。ほら、もう泣かないくていいよ、大丈夫だから」
 

あたしの手を取り、そっと涙を拭ってくれる。
 
「黙って出て行ったらダメじゃないか。

お父様とお母様が心配してる。もうごはんだし、帰ろう」
 

そしてブラッキィに、
 
「ブラッキィ、おまえは悪い子だったからな。
メシ抜くか?」
 

ブラッキィは、言葉のわかる賢い犬らしい。クゥーンと甘えた声を出している。
 

「ハハ、冗談だ。

お客様を怖がらせたらダメだぞ。おじい様に怒られるからな」
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