ROMANTICA~ロマンチカ~
   ***
 
「わ、わたし……思い出しました……今度こそ……」


 
自分でも顔からサーッと血の気が引くのがわかった。

何てはた迷惑で、ひねくれていて、可愛くないクソガキだったんだろう、このあたしは! 

そして、今でもあんまり人間として進歩がないような気がする。
 


「あ、あの犬は?」
 
「ブラッキィ? 一昨年、老衰で。

十八年生きたから、大往生だったよ」
 


うつぶせのまま、涼輔さんは答えた。

そう言えば、以前原島さんに見せてもらったアルバムに、犬と一緒に映っている写真もあったような気がする。
 


「人間の性格って、生まれた時から一生変わらないものなのかもしれないな」
 


感慨深げな涼輔さん。
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