ROMANTICA~ロマンチカ~
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「美味しい」
ヤナギヤさんお手製のジンジャーマンズ・ブレッドは、サクサクで素晴らしい味と香りだった。
以前、涼輔さんに食べてもらいたくって作ったクッキーもどきを思い出す。
――あの時も、涼輔さん、倒れたんだよね……。
溜息。
「で、都季ちゃん、どうしてこの雪の中、傘もささずに歩いてたのさ?」
「自分だって、今こうして雪の中、ブランコに乗ってるくせに」
「雪が好きなんだ。お子様体質でね。
雪が降ると、外で遊ばずにはいられない」
ヤナギヤさんは、「まあ乗れよ」とあたしを車に乗せて、病院近くの児童公園までやって来た。
ブランコに仲良く腰掛けて、ジンジャーマンズ・ブレッドと熱い紅茶でピクニック。