ROMANTICA~ロマンチカ~
「エヘへ……あのね、ワンちゃんにも、今日もう一回、ごめんねって言ったの」
 

「許してくれるって?」

 
「うん」

 
「本当?」

 
「ほんとう。でも、途中でワンちゃんが逃げちゃったから、よくわかんない」
 


思わずプッと吹き出し、傷の痛みに顔をしかめる。

 

「おてて、まだ痛い?」

 
「少しね」


 
都季はベッドに歩み寄ると、涼輔の右手にそっと触れると、

 
「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んでいけー」
 

「……」
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