ROMANTICA~ロマンチカ~
「トキちゃんもね、時々転んだりして、痛くって泣くの。

そうするとね、ママが痛いの飛んでけ、してくれるんだよ。なおった?」
 

「……うん」

 
目を輝かせる四歳児に、全然治らないとは、いくらなんでも言えない。


 
「トキちゃんね、大きくなったら、涼輔くんのお嫁さんになってあげる」
 

「……」
 


思わず絶句する。
 

「ダメ? もし、お嫁さんがダメだったら、薬屋さんになる。

薬屋さんになって、涼輔くんがケガしたり、病気になった時に、おくすりをつくってあげる」

 
「……考えておいてやる。

もう、戻れ。お父様とお母様が心配する」
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