ROMANTICA~ロマンチカ~
――らしくないな……。
 

誰かにこんなに執着するなど、まったく、らしくない。
 

直情径行で、何をするかわからない。


一時も目を離せない。


すぐ怒るし、すぐ泣く。


それでも、あんなに考えと顔が直結している人間は珍しい。



今までには、ないタイプだった。


今までに遊んだ大人の女たちと違って、その瞳の奥に打算はなかった。


彼女の笑顔には、正直惹かれていた。


 

――何が気に入らなかったのか……。


 

最初、虫除け呼ばわりしたことだろうか? 
 


――迷惑などでは、なかった……。
 


忘れよう。
 


痛いが、致命的ではない。
< 303 / 369 >

この作品をシェア

pagetop