ROMANTICA~ロマンチカ~
いや、そんなことより……。

慌てて服装を確認する。

スカートのホックが外れていた。
 

――い、いつの間にやらロスト・ヴァージン!


しかも、記念すべきロスト・ヴァージンをまったく、覚えていない、記憶にないというのはいかがなものか!
 

「あわ……あわわわわ……」
 

変な汗が噴き出してきた。
 

「うっわ! その顔、面白い! 

カエルみたい。ガマの油が取れそうだ」
 

クツクツと笑い声を立てる涼輔さん。
 

「か、からかいましたね?」
 

何だか、ホッとしたような、残念なような……。
 

「うん。

いくらなんでも昨日の今日だ。

この足じゃ、ちょっと無理」
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