ROMANTICA~ロマンチカ~
「それとも、おまえが私を好きなのは、利用価値があるからか? 

今の君にこれといった利用価値がなければ、好きになったらいけないのか?」

 
「好きになって、欲しいです……」

 
涼輔さんが、コートのポケットから小さな箱を出し、中味を見せる。

 
「指輪……」

 
プラチナ台に、ダイヤモンドが燦然と輝いている。


こんなに大きなダイヤを見たのは初めてだった。


自然の光を受け、雪の結晶のような形の光が反射する。
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