ROMANTICA~ロマンチカ~
氷室氏のケガの回復を待ち、二月の始め、都内の教会で、二人の結婚式は執り行われた。


厳かで、なおかつ家族的な温かい雰囲気の、すばらしい式だった。
 

大勢の参列客の中で、ヤナギヤは一際目を引いていた。
 

パイプ・オルガンの音色が響き渡る中、ヤナギヤは花嫁の腕を取って歩き、彼女を待ち焦がれる新郎の元に無事に届けた。


僕から見ても、なかなか堂々としたものだった。
 

式の後、鳴り響く鐘の音。


ライス・シャワーと人々の祝福の中、純白のウェディング・ドレスに身を包み歓喜に頬を染めた花嫁と、愛しげに新妻の腕を取った新郎が近付いてきた。  
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