ROMANTICA~ロマンチカ~
「涼輔~、良かったねぇ。

都季ちゃんと結婚できて。グスッ……」
 

「いい年して泣くなよ、みっともない!」

 
「涼輔さん、そう言わないで」

 
「しかし、感無量でございます」

 
感涙にむせび泣く新郎の父親とともに、以前探偵事務所にやって来た老執事も、目を潤ませる。

 
「わーい、タヒチ、タヒチ! 

ねえ、涼輔さん、旅行パンフレットって、見ているだけで幸せな気分にならない?」
 

「お手軽なヤツだな」
 

「魚、魚、魚~」
 

歌い出す花嫁を呆れたような、それでいて愛しげな目で見つめる新郎。
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