ROMANTICA~ロマンチカ~
まあ、それはおいとこう。



ヤナギヤのお気に入りになった時点で、彼女が処女であることが確定したも同然なのだ。



何しろヤナギヤは、「処女膜の匂いをかぎわける男」を自負しているくらいなのだから。



いばるようなことではない。

断じてない、と僕は思う。
 


それで都季嬢、パンティを売ろうとして失敗したらしい。


ブルセラは良くないよというヤナギヤの言葉に対し、ワケありげに眉をひそめ、

まくし立てた。
 


「十九歳の女の子が一人で生きて行くには、お金がいるのよ。

それに、ブルセラって言い方は止めてちょうだい。

経済活動って言って欲しいものだわ。


だって、その血、あたしのじゃなくってチキンレバーから採取したやつだもの。

あたしだって、自分がはいたパンツが新しい所有者に頭にかぶったり、頬ずりされたりするのは気持ち悪いから、売り物用に作ったのよ。

百円ショップで買ったパンティに九十八円のチキンレバーを塗りつけて、三万円で売ろうと思ったの。

ね、これって経済活動でしょ、探偵さん? 

出会い系とかって怖いから、直接売ることにしたの。

だけど、この次からはインターネットで売るわ」
 


アゼンボーゼン。
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