ROMANTICA~ロマンチカ~
第一章 出あい

1.事故

真夜中の首都高速。

真っ赤なBMWが走り抜ける。

飛ぶように、弾丸のように。




車内には、ハンドルを握っている妙齢の女性が一人だけ。



センス良いファッション。


維持費がかかりそうなショートカット。



派手目のメイクをほどこされた顔は、今でもかつての美貌の名残を十二分に留めていた。



年齢相応のシワは、そこかしこにあった。


だが、それすらも……

彼女の美しさにさらに華をそえるべくある勲章のようだった。
 

大きな目に宿る強い光。
 

それが彼女のチャームポイントだった。


彼女自身、よくそれを心得ていた。
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