ROMANTICA~ロマンチカ~
ヤナギヤが「処女膜の匂いをかぎわける男」であるもみならず、
 



「この世に迷える処女がいる限り、たとえ地の果てまででも駆けつけて、彼女の役に立とうではないか! 

タダ働きが怖くって、探偵なんかやってられるか!」
 


こんなモットーの下で、「ヤナギヤ探偵事務所」は経営されているのである。
 


このヤナギヤのモットーのせいで、今まで何度給料を滞納されてきたことか……。

トホホな思いを何度させられてきたことか。


 
ヤナギヤという男は変人で、大層困った男で、しかもこの探偵事務所は給料が安い。



だが、仕事の依頼が少なくヒマなので、小説の構想を練りながら働くにはよい職場だ


(これは、唯一のチャーム・ポイントと言ってもいい)。
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