ROMANTICA~ロマンチカ~
目元は雅紀さん似かな……。いやぁ、本当に大きくなった」
 


パパの若い頃にそっくりという所には、ちょっぴり複雑な気分になったけれど。


女の子としては、どちらかというとパパよりママの方に似たいなぁっていう顔だったから、あたしの両親は。


それに、その時のあたしの美人度は、泣いたこともあって、普段の五割引くらいだったと思うし。



その時あたしはブスでした。


 
「元気を出してね。

涼輔のこと、よろしく頼むよ。あいつ、ああ見えて、結構寂しがり屋だからさ」


 
おじさんが、優しい目をして言った。

その様子があんまり嬉しそうで……

涼輔との婚約をなかったことにしたこと、

あたしは書生になったこと、

言えなかった。
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