現実は、変えられない
帰り電車で、
会話が何もない空気に耐えられなった私は、
「高橋君、なんかあった?」

少し緊張して言ってみた。

すると、
高橋君は私の顔をじっと見ながら、
近づいて来た。

なぜか、後ろに下がると電車の戸とぶつかった。

高橋君は手を戸につき、身動きとれなくなってしまった。

高橋君の顔は、いつもと違った。


「いつまで、苗字で呼ぶの?」


えっ、以外な質問に驚いた。

そういえば、高橋君は付き合った日から、
莉奈って呼ばれていることを思い出した。


「慎也?」

少し照れくさかったが、言ってみた。


すると、慎也の顔がどんどん優しくなって
頭をポンポンとされた。



実は、怒っていたきっかけは
優太君だったらしい。

なぜか、ヤキモチでさえ
幸せに感じた。

しかし、こんな幸せも長く続かなかった。

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