現実は、変えられない

金曜日

この日は、委員会の後に
私は先生に呼ばれて、帰る時間は結構遅くなってしまった。

帰り道は、慎也と明日のことについて
決めていた。

駅の近くでバイトしている兄が、
迎え行くと連絡があったので、

駅に着くと、
慎也とは、別れて
兄を一人で待っていた。
遠くから、兄が来るのが見えた。


『バンッ』
って音がした。


事故が起きた音だった。

事故があった場所は、さっき兄がいたところに近かった。

そして、事故があった周辺を見ても
兄らしき人はいない。

もしかして……


私は、事故があった方へ
全力で走って行った。


車の近くに倒れている人は
頭から血を流している兄だった。



「お兄ちゃん、
 お兄ちゃん」


どんなに呼んでも
兄は全く動かない




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