現実は、変えられない

医者からの言葉が信じられなくて
私と母は、兄のところに行った。


しかし、兄は全く動かなくて
優しい顔で眠っていた。

私は、嘘だと思いたかった現実が
本当のことだと知って、
何もかも混乱してきて、
意識が飛んでしまった。


気付いたら、
私は、病院のベットで寝ていた。
ベットの横には、父が座っていた。

父は、私が起きたことに気付いたらしく

「大丈夫か?
 帰ろう」

父が私のカバンを持ってかえろとするので、
私は、ついて行った。


帰りの車の中は、
会話は全くなかった。


家に帰っても、
すぐに部屋にこもって、ずっと泣いていた。


ご飯も全然食べなかった。


お通夜やお葬式は、どうにか出たけど、
ずっと意識がどこかにいっていた。

しかし、火葬場に行った時には、
これが本当に最後だと思うと
また涙が止まらなくなっていた。


今まで、兄との記憶が思い出された。





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