君に贈るクリスマス
「それでそれで、今日はちゃんとエスコートしてくれるんだよね?雅臣クン」

「たりめーだ。葵、感動しすぎて泣くんじゃねーぞ」

「大丈夫。それほど期待してないからー」

「それはそれでひどくねぇ?」

「あはは」

ったく、まぁいいけどよ。

「それじゃあ、お姫様こちらへどうぞ」

「うむ、くるしゅうない」

何だよ、このやりとり。

何て思いながら、近くに止めてある愛車に向かう。

「へへー。雅臣の車ー」

何が嬉しいのか知らないが、嬉しそうに助手席に葵が乗り込む。

「別にいつも乗ってるだろうが」

デートの度に乗ってるんだから、今更珍しいものでもないだろうに。

「ま、そうなんだけどねー」

嫌がれるよりは喜んでくれた方が断然いいけどな。

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