年下の不良くん《番外編》
清水翔
春が来た
ぎりぎり合格したこの堀高に入学して、早くも二週間も経った
まだまだわからない事の方が多い高校生活で、俺は楽しくやっている
中学はまぁ、かなり暴れ回ってたから、高校ではそれを落ち着こうと思っている今日この頃
武蔵の野郎は、全然落ち着けてねぇ、とかぬかすが、真面目に学校を毎日来てんだから、俺にしては上出来なんだよ
そーゆーお前だって俺と一緒だったくせに…
武蔵がこの高校に決めたのは、好きな人がここだからっていう不純な動機だ
こいつの受験生活はすごかった
あれだけ周囲から無理だ無理だって言われてんのに、諦めもせずに勉強してんだもん
マジこいつのそーゆー、一人の女の為に必死になれるとこ、かっこいいって思う
──あ、保健室の女…
渡り廊下をたまたま通ろうとしたら、前方で固まって楽しそうに笑う保健室の女がいた
“保健室の女"というのは、この間、俺が体育で怪我をした時に、たまたま保健室にいたあの女に手当をしてもらったのがきっかけで、俺がテキトーに名前を付けたのだ
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