年下の不良くん《番外編》
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翌日、俺はちゃっかり朝から武蔵に蹴りをいれて、気を晴らしていた
「や、だってしょーがねぇじゃんっ
お前の初カノだぞ!?」
廊下でぎゃんぎゃん騒ぐなよ
「うっせぇ、んなの付き合った女くらい他にいっぱいいるわ」
「あれは本命じゃなかった──ってりりかちゃん!!」
はっ?! りりか!?
驚いて後ろを振り返れば、りりかがいて…
一瞬悲しそうに笑ったかと思うと、俺に背中を向けて反対方向に走り出した
「ちょっ!!待てよっ!!」
急いで俺もその後を追う
「りりかっ、話聞けよっ!!」
割と足が速い方なのですぐに追いついた俺は、彼女の細い腕を取って引き止めた
今のは完璧に、俺が誤解を招くような物言いをしたのが悪い
「……ご、ごめんね清水くん…わかってる、っ…」
何をどうわかってるんなら、お前の声はこんなに震えてないだろう??
「ごめん…誤解だから
さっきのは、何つーか…ほら…」
……本人を前にして面と向かって言うのって、マジ恥ずかしいな…
「…りりかと付き合う前の話だし…」
ってこれも、何かちげーな…
んな事を伝えたいんじゃねぇんだよっ…