年下の不良くん《番外編》
「おいおい、翔〜
柄にも無く心の声がただ漏れダゾ♪」
「お前のウインクとか、いらねぇよ
きめぇしやめろ」
「なんだよ〜、慰めてやろうとしてんだよ
つーか、女の優美にまで嫉妬とか、お前こそやめろよな」
そこまで俺の気持ちもただ漏れだったのかと不安になるくらい、こいつは意外と俺が今、何を考えてんのかよくわかっている
伊達に何年もいねぇな、と関心
「…うっせぇ、馬鹿」
「図星かよ…お前りりかちゃんと付き合って、ずっと年の差の事言ってんな」
「……だってりりか、結構モテるし不安なるんだよ…」
何で武蔵相手にこんな事言ってるのかと、自分を殴りたい気分になるが、これほど俺の事を分かりきってる人材は他にない
「確かにそれは言えんな
お前と違って優しい人だもんね、りりかちゃんは」
「うっせぇよ」
……でも確かにそう、りりかは誰にでも優しい笑顔を向けて、他人の為にせっせと動く
だから周りを虜にするのだが、俺的にはあれはやめてほしい…
「勘違い野郎なんていらねぇ
俺だけのもんにしたいんだよ」
「──おいおい、独占欲丸出しじゃねぇか」
「やっほぉ、翔に武蔵ぃ〜♪」
開け放していた廊下側の窓から、偶然通りかかった麻衣と杏が話に寄ってきた
「盗み聞きすんなよ、趣味わりぃぞ」
「あぁ??
黙っとけこのお惚気野郎が」
「お惚気野郎ぉ〜♪」
りりかの次に、女の中で俺の事をこんな風に言えるのは、麻衣と杏くらいだ