年下の不良くん《番外編》
2週間ぶりのりりかは、ちょっとだけ大人びたように感じられた
彼女の行動一つ一つが鮮麗された女性のようで、心臓の音が忙しなく体に響きわたる
「ん??翔くんどうしたの??」
「え??あ、いや何でもねぇ…」
本当は何でもある…けど言えるわけがねぇ…
「そう??
…ごめんね、ずっと会えなくて…」
突然の彼女からの謝罪に、俺の目は点になる
「何で謝んの??」
「さっきね、麻衣から聞いたの
私もね、ずっと会いたいなって思ってたんだけど、翔くん受験生だから邪魔しちゃったらいけないなって遠慮してたの…」
「りりか…」
「でも逆効果だった…
ごめんね、翔くん」
まさか、りりかがそんなにも俺の事を考えてくれてたのかと思うと、胸がいっぱいになった
いつも俺の事を考えてくれている彼女に、どうして俺は疎外感なんて感じていたのかと、己が恥ずかしくなった
「りりかが謝ることじゃねぇよ
確かに俺、受験生だし色々あっけど、邪魔なんて思った事無い
…俺はいつだってお前に会いたいんだよ」
「……ふふっ、うん…ありがと」
「……俺こそ、その…寂しがってごめんな」
自分の気持ちを全て吐き出したら、気持ちがすっきりして楽になった
笑いかけてくるりりかを見ると、自然と自分の頬も上がっていた
溝が出来たいたのではなく、俺が勝手に溝を作っていたのだ
「高3だし忙しいけど、いっぱい会いたい…」
「うん、会おうね
…あ、そうだっ!!
放課後に勉強しよう??
そしたら会えるでしょ??」
放課後まで勉強なんて本当だったらヤだけど、お前が名案だとばかりの顔してくるからしょーがない…
「…じゃあ、そうしよーか」
だって、半同棲が無くなった分、俺もりりかに会いたいから…
俺はいつでも、りりかの傍にいたいんだ
──終──