年下の不良くん《番外編》
悲しそうな顔をするしゃちょーさんを見てしまうと、りりかに嫉妬している自分がいて、それだけでもう己が嫌いになってしまうのだ
「え…??
どうしたの急に…」
驚きを隠せないと言ったふうな表情を、見せるしゃちょーさんを見ると、また心が痛む
「えへへ、ごめんね
…好きな人に誤解されたくないんだぁ…」
咄嗟に思いついた在り来たりな言葉だけど、この際、距離を置けるなら何でもいい
「……好きな人って誰…??」
「っ……」
どうしてしゃちょーさんが、そんな苦しそうな顔をするの──??
「しゃっ、しゃちょーさんには関係ないでしょー??
あたしにも色々あるんですよ〜」
「………」
……ほんの少しだけだけど…しゃちょーさんがあたしに気があって、もしかしたら嫌がってくれるかもしれないと、淡い期待を抱いていた
「じゃあね、しゃちょーさん
元気でね…」
だけど、しゃちょーさんからの次の言葉は無く、重重しい空気の中、あたしは静かに車を降りた
──あれだけ悩んだんだから、間違ってないはず…
でもどうしてだろう…
既に後悔してる自分がいた…